鳥海山 ~きつかったけど文句なしに素晴らしい、名峰中の名峰です(⌒-⌒)
9月29日(水) 晴れ
所要時間10時間15分(登山口~御室:4時間40分 御室⇔鳥海山:40分 御室~登山口:4時間 休憩55分)
歩行距離:15.76km 標高差:1076m 累積標高差上り:1446m 下り:1447m
鉾立→鉾立展望台→賽の河原→御浜小屋→御田ヶ原→御田ヶ原分岐→七五三掛→外輪山・千蛇谷分岐→御室→鳥海山→御室→行者岳→伏拝岳→文珠岳→外輪山・千蛇谷分岐→七五三掛→御田ヶ原分岐→御田ヶ原→御浜小屋→賽の河原→鉾立展望台→鉾立
↓当日のルート↓(地理院地図の実際に歩いた軌跡)
[登山口までのアクセス]
・酒田方面からの鳥海ブルーラインは片側一車線の舗装路で、カーブの多いところもありますが、難しくない山道です。ただ、早朝は動物が道を横切ることが多いので注意。タヌキ、野鳥などが目の前を通り過ぎ、何度か肝を冷やしました。
・登山口の駐車場は無料。
・登山口にトイレ有。
・飲料の自動販売機あり。
[コース状況メモ]
・登山道はよく整備されていて、山頂付近を除き大小の石を敷き詰めた山道が多いです。転倒しづらい反面、コースが長いので後半は足裏に堪えます。
・注意が必要なのは二か所。ひとつは当然ながら御室小屋から鳥海山山頂の新山までの岩場。簡単だった、死ぬかと思った等々、人によってさまざまな感想のある場所ですが、けっこう危ない場所だと思いました。同じように危険と言われていた五竜岳への牛首と同程度、谷川岳の西黒尾根よりは難しいという印象でしょうか。こういう場所の得手不得手があるので一概には言えませんが、高所や切り立った場所が苦手な人は単独での挑戦は避けた方がいいかもしれません。この日も身動きできなくなってしまった方が一人おられました。
・もう一つ、下りに歩いた外輪山コースの最後の部分(だいたい文殊岳~千蛇谷入口までの間)の岩場は急です。ただ、ここは慎重に行けば問題ないと思います。
・当日、山小屋は休業中(酒田市HP参照)でしたが、七合目の御浜小屋、山頂の御室小屋のトイレは使用できました。
昨今の登山人気のなかでも富士山や立山をおさえて夏山ランキング1位になるなど、特に人気が高まっている鳥海山。数年前から計画を温めてきたこの山についに行くことができました(⌒-⌒)
鳥海ブルーラインの頂上、鉾立登山口(象潟口)駐車場です。
行動時間が長くなるので早朝5時過ぎに到着。平日ですが快晴予報もあってすでに多くの車が。
駐車場に隣接する登山口。ここからスタートです。
散々予習しましたが、今一度コースを確認。
序盤は大石で舗装された山道が続きます。
しばらくすると大岩が出現。
1時間ほどで到着したのは賽の河原。
賽の河原近くの様子。少し開けた場所です。
さらに登り進めると徐々に日が昇ってきました。眼下に池塘も見えます。
スタートから1時間40分、七合目の御浜小屋に到着です。
御浜小屋の様子。ここからの眺望といえばなんといっても……
鳥海湖です!
アップでも一枚。
鳥海山の景色の中でも特に風光明媚といわれるカルデラ湖、素晴らしかったです(^-^)
御浜小屋をあとにして山頂へ。まずは岩場ゾーン登場。
けっこう大変というか楽しい岩場です(;^_^A
御浜小屋から15分、御田ヶ原に到着。山容がはっきりとわかる場所まで来ました。
草紅葉を横目に山頂に向かいます。写真で見るよりずっと広大なところです。
石畳を歩いて鞍部まで下ったら……
後ろを振り返ってみました。こんもり山をいくつか越えてきたのがわかります。
八合目を越え、まもなく七五三掛というところ。
急階段をクリアしたら……
千蛇谷入口に到着。千蛇谷コースと外輪山コースの分岐点です。
登りは千蛇谷コースなので、左の谷方面へ下りていきます。この入口だけは「え?ここ降りるの?」って感じの狭く細い崖でしたが、すぐにふつうの下り道になるので安心を。
千蛇谷に入りました。まさに「ザ・谷」という感じ。夏を越えても雪渓が残ってます(^-^)
下まで降りてから上を見上げた画。右やや下に小っちゃく人が見えるのでスケールがわかります。
谷をグイグイ進みます。左が山頂、右が帰りに歩く外輪山です。
外輪山方面を見上げたところ。ここにも雪渓が。
いよいよ急登がはじまるというところで、山頂へのカウントダウン開始。1~5は見かけませんでした。6からスタートなのかな(・_・?)
きついけど日も昇って、青空で気持ちいい~(^-^)
7まで登ったので下を見ると……
外輪山と千蛇谷が一望できました(^-^)
左手の山頂方面はゴツゴツした岩が多くなってきました。
ゴツゴツ岩ゾーンに向かって、転ばないようへっぴり腰ながら進みます(;^_^A
近づいてみるとけっこう大きな岩も。
思わず見上げてしまいます。
歩いてきた道筋。
谷に入って1時間40分、御室に到着です!
まずは荷物をデポして……
鳥海山の山頂、新山へ向かいます。
難所の岩場をうんせ、うんせとスパイダーマンのごとく這いつくばって進みます(;^_^A
うぅ……思ったよりすごそう(;^_^A
ちょっと登って外輪山方面を見たところ。月山から海まで見えちゃってすごい高度感。
この風景を見て妻は顔面蒼白。まじっすか?という感じ。なんか、岩の上に人がいるんですけど(;^_^A
山頂に行くには、まずクレバスのような谷の間を……
一旦下って……
さらにここを登るんです(;^_^A
クレバスから出てきた人が写真中央付近に、右端に登って来た妻がいます。すごい構図です。
岩の合間から雲海も。
逆方面には海も見えます。
そして、ついに山頂に到着!山頂は狭いのでパッと写真を撮ってすぐに下山します。ちなみにこの山頂、高さが2236mなので「ふうふ(で)見ろ」と呼ばれているそう。夫婦で来てよかったです(^-^)
御室に戻って昼食をとったら下山開始。外輪山コースで下るので七高山(外輪山のひとつ)と書かれた看板方面へ向かいます。
ここにも雪渓^^
尾根に出るまで最後の急登。もうひと踏ん張りです。
尾根に出ました。ここからはアップダウンの少ない稜線歩き。景色が楽しみです(^-^)
すぐに海方面が視界に。うん、すごい^^;
逆方向を見ると雲海と月山が。
ぐるっと回った対面を見ると山頂付近に3人ほどの人影が(゚ロ゚;)
悩みに悩んで今回のタイトル写真にした一枚(その後、鳥海湖の写真に変更)。御室小屋、外輪山、千蛇谷、そして、鳥海湖へ延びる稜線の全部が写っているので、これにしてみました。
さらに外輪山の尾根を歩きます。左手にはずっとこのような紅葉の景色が。
海を見下ろしつつ歩きます。高度感ハンパないです。
外輪山のほぼ全容。
梯子は二か所くらいありましたが、危なくはなかったです。
もくもく雲がアクセントになって美しい(⌒-⌒)
これは山頂から三つ目のピーク。外輪山は七高山(2229m)、行者岳(2159m)、伏拝岳(2130m)、文珠岳(2005m)です。
伏拝岳~文珠岳間の一枚。眺望にすぐれた外輪山コースを象徴する風景かなと思います。
これも同上^^
これもですね(^-^)
ハイマツのあるゾーンを過ぎたら……
外輪山コース最後のピーク、文殊岳を通過。
コース状況のところにも書きましたが、文殊岳を過ぎてから千蛇谷入口分岐までは急な岩場となります。
慎重に行けば問題ないレベルですが、ここへ来るころには疲労も溜まってますから、集中を切らさないように進みましょう。
千蛇谷入口の分岐まで戻りました。ここから先は行きに歩いたルートを歩いてゴールです。お疲れさまでした。
写真は前泊の宿とした酒田の街の観光名所「山居倉庫」の夕暮れの様子です。
ここから先は本気で鳥海山に(日帰りで)行こうと考えている方に向けた情報として記述します。歩くスピードがあまり早くなく、体力にも自信がない僕らのような方は参考にしてみてください。
今回は鉾立からの登り千蛇谷コース、下り外輪山コースを歩きました。多くの方が選択する王道のルートです。登ったことのある友人から「景色で選ぶなら圧倒的に外輪山コース。行きも帰りも外輪山コースを歩く人も多いほど」と言われてました。ただ、今回は初めての鳥海山。せっかくだから違う道も歩きたかったのと、外輪山コースのほうがタイムが長くかかるため、時間的なことからも登りは千蛇谷コースを歩くことにしました。「千蛇谷コースは景色が変わらず単調」とも言われますが、それは外輪山コースと比べればの話じゃないかと感じました。雪渓の残る谷から大岩を横に見ながら急登を登り詰める道は、登山の醍醐味を十分味わえると思います^^
外輪山コースは聞いた通りの素晴らしい景色。このコース、もし登りか下りかどちらかだけ歩くなら、下りの方が断然おススメ。変化に富んだ景色が次々登場するからです。今回歩いたコースの逆回りをする人がほとんどいないのも、その理由からだと思います。
今回のコースの標準タイムは8時間20分くらいですが、事前調査で多くの方のタイムを見たところ、7時間~11時間という大きな幅がありました。これまでの自分たちのタイムから、標準タイムより少し遅い9時間程度で歩けるだろうという読みでした。しかし、これは少し甘かった(;^_^A コースが約15キロと長いので、わずかに遅い程度のペースでも、その「わずかな遅れ」が蓄積されていくんですね。鳥海山は長いけれど比較的歩きやすいので日帰りも可能……というのをよく目にしました。確かに可能でしたが、本当にきつかった。コース長22キロの雲取山日帰りの方が楽だったくらいです。最後の方はヘロヘロになってペースも落ち、まさかの予定より1時間遅いゴールとなりました。 万一に備えて暗いうちにスタートしておいてよかったです。初めて行くロングコースの山を歩くときは早めのスタートが大事ですね。体力に自信のない方は早朝、薄暗いうちに駐車場に到着しましょう。平日でも天気が良ければ多くの登山者がいるので、それほど心細くはないはずです。